近年、新型コロナウイルスの流行をきっかけに注目を浴びるようになってきたオンライン接客。
実店舗以外での商圏を広げようと、多くの業種で導入されているシステムです。
オンライン接客といっても種類は様々で、ビデオ通話型やチャット型などさまざまなサービス方法があります。今のうちから導入を検討してみることで未来の業績アップが狙えるかもしれません。
この記事では、オンライン接客のメリットとデメリットを導入する際のポイントも交えながら紹介していきます。
オンライン接客のメリット
「オンライン接客と聞くとなんだか難しそう!」や「それってお客様は満足なの?」と思う人もいるのではないでしょうか。
ここからはオンライン接客を導入する10個のメリットを紹介します。
- 顧客の都合の良いタイミングで接客を受けられる
- 顧客の待ち時間が減らせる
- 購入率が上がる
- 顧客単価が上がる
- 商圏を拡大できる
- 新規顧客の開拓ができる
- 顧客のリピート率が上がる
- 利便性が高い
- 人件費を減らせる
- 感染症の対策ができる
顧客の都合の良いタイミングで接客を受けられる
オンライン接客は事前予約でお客様の好きな時に利用できるサービスです。
お客様が商品を検討しているタイミングでその人に合わせた接客ができるため双方にとってメリットがあります。
お客様にとっては隙間時間を活用し利用できることがメリットといえるでしょう。
店舗側は「予約する」というひと手間をクリアしてくださるお客様の対応にあたるため、お客様が情報を求めている、もしくは購入を検討しているタイミングで接客をスタートできるというメリットがあります。
顧客の待ち時間が減らせる
順番待ちがないのもオンライン接客ならではの利点です。
実店舗であれば他のお客様がいた場合に説明を聞けないことがよくあります。
待ちくたびれて帰ってしまったり、クレームにつながったりする可能性も。
オンライン接客は事前に予約していただくのでお客様の時間を無駄にすることがありません。
購入率が上がる
アパレルや電化製品など、ECが強い業態において購入率アップが見込めるオンライン接客。
ECサイトでお客様が商品をカートに入れたのに離脱してしまう理由の多くは「不安」や「疑問」を抱いているからであるといわれています。
オンライン接客ではそんな写真や説明文だけで伝わりきらない部分を解消できるのです。
WEB上で完結するECサイトの便利さに画面越しでプロからの説明や商品の提案をプラスすることで痒いところに手が届くサービスとなります。
実際にパナソニックのオンライン接客では実店舗、ECサイトでは考えられない5割以上の購入率を達成しています。
顧客単価が上がる
オンライン接客では客単価が上がりやすい傾向にあります。
プロが丁寧にヒアリングすることでお客様の不安や迷いをその場で解消できるからです。
シーズンものが多いアパレル商品や機能が多い電化製品は、購入する際疑問や悩みが生じやすいですよね。
「どうやって着まわそう」「自分に使いこなせるだろうか」など、こういった悩みにはプロの意見が購入の強い後押しとなります。
また、アパレルであれば全身をコーディネートしたり電化製品であれば付属品や周辺機器など併せて提案することで追加の購入を促すこともできるでしょう。
商圏を拡大できる
オンライン接客は、お客様との距離に制限がありません。
どれだけ遠くにいる人でもツールを利用できればサービスを受けられるので市場が大きく広がります。
今まで家の近くに実店舗がなく敬遠していたお客様の利用が見込めるでしょう。
オンライン接客の導入で近年右肩上がりを続けているのが、フィットネス業界。
ヨガやパーソナルトレーニングなどわざわざ外に出る準備をしなくてもレッスンを受けることができるので人気です。
家にいながら自分の好きな場所でサービスが受けられるので遠方のお客様にもどんどんアプローチできますね。
新規顧客の開拓ができる
実店舗のみで運営していた企業にとってオンライン接客を導入することで思わぬお客様を獲得できる可能性があります。
なんらかの理由で店舗に入ることに抵抗があるお客様の獲得を狙えるからです。
高級なものを扱う店舗や異性の客が多い店舗など、自分には似つかわしくないと感じて入るのをやめた経験はありませんか?
オンライン接客では画面越しにそのブランドの買い物体験ができるので店舗に入るより利用するハードルがぐっと下がります。
実際、電化製品のオンライン接客では実店舗より女性のお客様の利用が増えたというデータもあるほどです。
顧客のリピート率が上がる
人はお買い物体験の中でよい接客を受け、楽しい気持ちになったり満ち足りた感覚になったりすると「また体験したい」と思います。
オンライン接客ではそのお客様のためだけに用意された特別な接客を体験できるので丁寧な接客を心がければリピートしてもらえる可能性は高くなります。
また、接客後にアフターフォローをするなどお客様に寄り添ったサービスを取り入れることでケアされていると感じてもらうことができ、更なるリピート率アップが狙えるでしょう。
利便性が高い
オンライン接客ツールにはたくさんの種類があります。
大体の方がイメージするのはテレビ電話型でしょうか。
実店舗で自分からスタッフに声をかけられない人にとって接客が格段に受けやすくなります。
それ以外にもお客様のよくある疑問にチャットボットが答えるものや、お客様のデータに合わせて広告を表示させるポップアップ型があります。
提供するサービスと相性のいいツールを使うことでより便利で快適なサービスの提供ができるでしょう。
人件費を減らせる
テレビ電話を使ったオンライン接客では、ご予約をいただいた時間のみスタッフが必要になります。
来客数の少ない店舗のスタッフがオンライン業務にあたったり、前後の仕事の予定も組みやすいことから仕事の効率化が図れます。
また、お電話で同じような問い合わせが多いならチャットボット型のサービスを導入すれば電話対応のオペレーターの人数を削減でき便利です。
感染症の対策ができる
近年人との接触を避けて外出を控える人も多くいますが、オンライン接客なら対面で接触する必要がありません。
画面上の接客なのでお客様とスタッフ両方の安全を守りながら接客できます。
対面での接客はマスクが必ず必要ですが、オンライン接客だと場所にもよりますがマスクを外すことができ、より親近感が湧くのではないでしょうか。
オンライン接客のデメリット
ここまでオンライン接客のメリットについて説明してきました。
自社でも始めたい!と思われる方もいるのではないでしょうか。
ここからはデメリットについて説明していくのでデメリットも知ったうえで検討してみましょう。
導入の際に気をつけるべきポイントも合わせて紹介します。
通信環境に依存する
オンライン接客はWEB上で完結するためインターネットの通信状況が重要になります。
いい商品やサービスを提供していても音声が途切れたり画像が乱れたりすると伝えたいことが伝わりきらない可能性があるでしょう。
さらに予約制のオンライン接客においては通信環境が悪いことでクレームに繋がることも考えられます。
トラブルがあった際の解決策を事前に用意しておくことが重要です。
顧客のITリテラシーに依存する
とても便利なオンライン接客ですが、インターネットに詳しくないお客様からするとむしろ不便に感じられる可能性があります。
ご年配の方や機械に弱い女性など、幅広くご利用いただきたいのであればツール選びにこだわるといいでしょう。
誰にでも使いやすいツールを選ぶことでインターネットに疎い人でも利用するハードルは下がります。
運用開始には費用がかかる
オンライン接客を導入するとツールの使用にコストがかかります。
ZOOMなど無料で使えるものもありますが、有料で継続的に料金が発生するものがほとんどです。
そのためツール選びが成功のカギとなるでしょう。
また、オンライン接客を導入するとなれば、接客するスタッフだけでなく、接客時に得た情報を分析し、改善していくスタッフも必要になります。
トータルの導入、運用コストと見込み収益を比較したうえで慎重に検討する必要があるでしょう。
オンライン接客のメリットを生かして接客を改変しよう
オンライン接客にはたくさんの導入するメリットがあります。
うまく活用することでECサイトと対面接客の相乗効果が得られるでしょう。
しかし、先述したようにデメリットがあるのも事実です。
大切なのは今自社にどういった問題点、伸びしろがあるのかを明確化すること。
何を改善したいのか誰に伝えたいのかをはっきりさせた上でツールを選び導入を検討することで新たな接客スタイルが取り入れられて売り上げのアップが期待できるでしょう。