冠婚葬祭に対しての若者の意識が時代と共に変わりつつある昨今、ブライダル業界も様々なサービス展開を進められていることでしょう。コロナ禍が世界全体を襲った際、日本の結婚式場ではキャンセルが相次いでいることがニュースにもなりました。
スタッフが対面でサービスを行うことが当たり前でもあったこの業界において、近年注目を集めているオンラインを絡めたサービス提供はどのような展開をみせているのでしょうか。
本記事では、実例も交えながらブライダル業界における「オンライン接客」「遠隔接客」の現在についてご紹介していきます。
オンライン接客と遠隔接客は違う?
オンライン接客とは、チャットやビデオ通話などのオンラインツールを活用して行う接客対応のことです。「Web接客」と「遠隔接客」の2種類があり、それぞれ異なる特徴があります。
Web接客は、主にお客様が主体のオンライン接客です。予約を行った上で、自宅などの好きな場所から現地のスタッフとやり取りを行います。お客様の相談内容に適切な回答を用意しておく形のため、簡易的な接客になりやすいのが特徴です。
一方遠隔接客は、店舗等を訪れたお客様に対して、現地にいるお客様の様子を見ながらスタッフが接客するため、操作方法が分からない場合の対応や追加サービスの提案など、店頭スタッフと可能な限り同じような接客を目指すことが可能です。
ブライダル業界においてオンライン接客の活用は進んでいる?
ブライダル業界では、幅広くオンライン接客が活用され始めていると言えるでしょう。
たとえば、式場の利用を考えているカップルにオンラインでの相談会の場から、検討が進んだ式の流れや予算感をプランナーから伝える場の提供にも利用されています。さらに、当日の式の流れの中にもオンラインサービスを導入する動きもあるようです。
ブライダル業界の事例を紹介
Web接客は利用者に何某かのデバイスの操作を促すところから始まりますが、遠隔接客は、現地で興味を持たれたお客様への声掛けからニーズの聞き出しやコミュニケーションが始められるといった特徴があります。
事例ご紹介の前にまず、前述の通りWeb接客と遠隔接客では違いがあるため、どちらを用いるべきかは自社の目指す姿に合わせて選択する必要がある点にはご注意ください。
WEB婚の事例
WEB婚ではオンライン結婚式を「進化した結婚式」とし、オンラインでの式サービスを全国規模で進めています。
こちらはオンラインサービスに力を入れているということで、通常の結婚式にはないようなオンラインのための施策があります。来賓はZOOMで結婚式に参加する形ですが、式は進行を行う司会者がおり、プロのカメラマンが複数台のカメラを用いて撮影を行ってくれるといったサービスもあります。
どうしても当日来られなかったり、海外に住んでいる友人や親族を含む来賓も迎えることができるのはオンライン結婚式ならではの特徴です。また参加者のためのケアも手厚いものであり、オンラインでの参加のためのマニュアルが動画となって配布されます。ZOOMの操作に自信がないゲストのために接続テストのためのリハーサルを行うので当日のトラブルも避けられる仕組みとなっています。
Hanayumeの事例
Hanayumeのサービス内容はオンラインでの式場探しです。
プロのアドバイザーがビデオチャットを用いてカップルの要望に合う式場の案内をしてくれるほか、式場の様子などは写真や専用ビューアーを用いて見ることができるので現地に行かずとも雰囲気を感じることができます。
空きさえあれば当日の相談も可能となっているので、気になったらすぐに相談をして式場の見学予約をとることもできます。手軽さを売りにしたオンラインだからこそできるサービスと言えます。
ブライダル業界における「オンライン接客」の現在
冠婚葬祭の文化が変化してきている中、ブライダル業界でもオンラインを活用したサービスに注目が集まっていることをご説明してきました。その範囲は問い合わせから式当日の運用まで多岐にわたっていましたが、式場見学や結婚式準備の前撮りなどといったタイミングでのオンラインサービスは不足している印象があります。
一般的な運用としては式場の見学にはスタッフがつく形態がまだ多いようですが、遠隔接客を用いてスタッフがいなくても式場の見学ができるようになれば運営側のコストも下げられるため、こうした設計をどのように行っていくのかが今後の課題と言えるでしょう。
その他にも、遠方からご祝儀を送ることができるサービスや、後々のトラブルにも備えた操作・注意点などについての丁寧な説明方法の確立も必要になってくるでしょう。
また、現地で葬儀を行いながらオンライン中継も行う場合には、参列者がマイクをつけた状態で入室された瞬間のノイズが現地に影響を与えてしまう恐れもあるなど、体験面にも注意すべき点があります。
時代のニーズに合わせ提供できる価値を増していくことも重要ですが、何より体験を損なわない設計を重視した検討を進める必要がありそうです。
弊社では、そのような「体験を損なわない設計を重視した」導入のご相談もお受けしております。
自社での導入イメージをより具体的に持ちたいと感じられた方は、ぜひお気軽に問い合わせください。