【ホテル業界編】オンライン接客や遠隔接客の具体事例をご紹介

  • URLをコピーしました!
サービス紹介バナー

ホスピタリティが大切なホテル業界において、オンライン接客や遠隔接客はその考え方の対極に位置すると考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

スタッフが対面でサービスを行うことが当たり前でもあったこの業界において、近年注目を集めているオンラインを絡めたサービス提供はどのような展開をみせているのでしょうか。
本記事では、実例も交えながらホテル業界における「オンライン接客」「遠隔接客」の現在についてご紹介していきます。

目次

オンライン接客と遠隔接客は違う?

オンライン接客と遠隔接客は、混同して語られる場合も少なくありません。明確な定義があるわけではありませんが、まずオンライン接客とはスタッフとお客様のいずれかがリモートの状態を指します。そしてそのオンライン接客の一種が遠隔接客だとお考えください。

遠隔接客の場合、スタッフが遠隔地にいてお客様は店舗に訪れている状態でサービス提供が為されますが、Web接客の場合はお客様が店舗以外の遠方にいます。Web接客においてスタッフは店舗にいる場合もあれば、リモートの場合もあります。

オンライン接客の場合、難しいのは“円滑な”コミュニケーションです。質問されたことに答える案内だけであれば、オンラインでもさほど難しくはありませんが、”円滑”なコミュニケーションを求める場合、相手の顔色や様子を見ながら対応しなければなりません。オンラインの場合、こちらが限定されるのが課題といえます。

ホテル業界においてオンライン接客の活用は進んでいる?

ホテル業界でオンライン接客は普及しているのでしょうか?前提として抑えるべきポイントからご紹介していきます。

Web接客と遠隔接客の導入目的の違い

オンライン接客には、表現としては似通っているWeb接客遠隔接客の手法があります。それぞれ得意分野が異なりますので、大前提としてなぜそのサービスを導入したいのか、目的を明確にすることが重要です。

Web接客の場合、ニーズや相談事のはっきりしている顧客を相手にした単純な案内に向いているため、直接案内を行う必要性自体を最小限にするようなサービスの効率化に重きを置いています。

一方で遠隔接客の場合は、実店舗でのおもてなしの質を極力落とさないことを前提としたコストマネジメント全体の改善が目的です。

着手は徐々に進んでいるが、大半がweb予約・チェックインまでの改善に留まる

新型コロナウイルスの流行により、人と接触しない形態でのサービス提供が課題になっています。当然それはホテル業界でも同様です。例えばフロントを無人化して機械によるチェックインシステムを導入する、またはロボットに応対させるといった非対面・非接触サービスの導入が推し進められています。

事例から見えてきたのは、サービスの効率化を目的としたweb接客がまだ主流であること。そして、その先の目的への着手は徐々に進んでいるものの、大半がIoT機器の導入やweb予約・チェックインまでの改善に留まっているという状況でした。次のフェーズとして、おもてなしとの両立が可能な遠隔接客サービスの導入まではこれから本格的に進んでいくようです。

ホテル業界の事例を紹介

具体的な事例をいくつかご紹介していきます。

東急ステイの事例

東急ステイでは自動チェックイン機と自動精算機の両方を導入しています。フロントスタッフとお客様の非接触化と、フロント業務の削減が可能です。1日10人のお客様が利用することで、1時間分のフロント業務カットが可能だといいます。

まだ客室の室温や照明の管理までの改善は行えていないといいますが、客室までのトータルパッケージングサービスが提供できれば、より効率的な業務を実現できるでしょう。

また、先述の効率化は、あくまでもお客様が一人でも迷うことなく利用できた場合の理論値であることにも注意が必要でしょう。この理論値を実現するためにも、円滑にサポートができるような運用体制づくりとその強化が続く課題といえます。

相鉄フレッサインの事例

引用:https://apps.apple.com/jp/app/id1289166027

相鉄フレッサインでは、公式アプリでQRコードチェックインサービスを導入しています。チェックインするときにフロントにある専用端末にQRコードをかざすだけでチェックイン手続きが完了します。対人よりも手続き時間の短縮化が進んでいます。

さらに、ルームキー代わりにスマートフォンを使って客室の開錠ができるようなサービスも導入しています。ただしこれは一部ホテルの導入に留まっているので、いかに早く全店舗で採用されるかがさらに利便性を高めるための課題といえます。

ホテルリソルトリニティ京都の事例

ホテルリソルトリニティ京都ではVACANというサービスの運用を開始しました。大浴場とレストランの混雑情報をお手持ちのスマホから確認できるというサービスです。いちいち現場に出向いたり、フロントで確認したりする必要がありません。リアルタイムの混雑情報をスマホですぐにチェックできるのは重宝されそうです。

ホテルリソルトリニティ京都の場合大浴場やレストランだけに留まりますが、エントランスなどほかの共用スペースの混雑状況まで知ることができるようになれば、より利便性は高まるでしょう。

変なホテルの事例

引用:https://www.oricon.co.jp/special/57395/

HISグループの運営している変なホテルは、ロボットの積極的な導入を進めています。物理的に裏に控えるスタッフは存在するものの、チェックインの応対や掃除をロボットが行うなど、基本的には非接触を徹底しています。また、サービスの自動化も進めており、例えば照明には人感センサーが組み込まれています。人がいなければ自動的にオフになることで、無駄なエネルギーの消費を防げます。

「世界初のロボットが接客するホテル」ということでギネス認定され、これも話題を呼びました。

箱根湯本温泉ホテルおかだ

引用:https://www.hotel-okada.co.jp/facilities/

箱根湯本温泉ホテルおかだでは、日本オラクルの『Oracle Service Cloud』を導入しました。このサービスは「人工知能による質問の予測や回答検索の最適実行により、問い合わせ内容を分析、最適な回答がエージェントにより自動提示され、解決時間の短縮を支援する汎用ソフトウエア」です。

たとえばホームページ上を回遊しているお客様に、その行動に合わせて「よくある質問」の中から疑問を持たれる可能性が高いであろう問い合わせを抜粋して常に紹介してくれます。これにより、お客様は「よくある問質問」ページの中を自身で探し回る手間がなくなります。導入から半年で問い合わせ件数が減少し、従業員の負担が軽減されたとのことです。

今後の課題は、一つはこれを現地ホテル内のお客様向けの案内にはどう活用していけるか、そしてもう一つはインバウンド需要にどうこたえるかでしょう。日本語だけでなく、各国の言葉でもAIが予測して回答できるようになれば世界中の観光客が好感を抱くおもてなしが実現できるかもしれません。

ホテル業界における「オンライン接客」の現在

ここまで見てきたように、ホテル業界でもIoT機器の導入を進めている事業者は増えてきており、特に力を入れているのは非接触によるサービス提供のようです。今後もしばらくは新型コロナの流行は続くと見られていますので、お客様は今後もできるだけスタッフと接触することなく、宿泊したいというお客様側のニーズは継続するでしょう。

事業者側の観点でいえば、チェックインをお客様自身で行えるためのAIによる問い合わせ対応の仕組みや、スマートチェックインシステムの導入によってフロントスタッフの業務量を減らせるニーズは継続しそうです。また、変なホテルのようにロボットの導入により人件費削減に取り組むことで、経営のスマート化も推進できそうです。

一方で、遠隔”接客”自体は次の手として、今後注目を浴びると思われます。
なぜなら、紹介したような機器の導入でかなうのは案内やその手間を「削減すること」であり、これ単体では現地での”おもてなし”との両立が十分に果たせないためです。

今後、ツアー客だけではなく、個人客の需要もさらに高まると見られます。
個人旅行客が増えれば、各種問い合わせも多様化するでしょう。そのすべてに現地の従業員が対応するとなるとそれだけでも大きな手間が発生するため、「個人客の多岐にわたる要望に応えながらおもてなしの品質は維持し、従業員の負担は軽減」という目的に効果を発揮する遠隔接客の需要はホテル業界において増していくのではないでしょうか。


弊社では、「体験を損なわない設計を重視した」導入のご相談もお受けしております。
自社での導入イメージをより具体的に持ちたいと感じられた方は、ぜひお気軽に問い合わせください。

資料DLバナー
よかったらシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
目次